先日、ある衆議院議員がメール利用の際、個人情報を
流出させてしまった事故があり報道されました。
しかし、特別な事故ではなく、誰でも犯しがちな行為に
よるものです。実際、行ってしまっているかもしれません。
何が問題になるのかと、本当はどのようにメールを
利用すべきだったかを確認します。
問題となったメール送信の経緯
① メールの形態
議員が160人の方に行事案内を一斉送信しました
② 送信対象者(受信者)
議員本人や秘書が名刺交換していた方々
③ 受信者の反応
一部に受信者からプライバシーの配慮を求められるクレーム連絡が議員側に
入れられる
クレームが入れられた要因
メールは各受信者の氏名とメールアドレスが、全受信者が判る形式で送信されて
いました。
ですが受信者160人の方々は、上記②から推測できますがお互いに知り合い
ではないようです。
つまり受信者は議員によって、他人に氏名とメールアドレスを晒されてしまったのです。
氏名とメールアドレスの組み合せ
特定の個人を識別できる情報であるため個人情報と定義されます。
法律には触れていませんが
個人情報保護法という法律がありますが、対象者が一定の個人情報数以上を
取扱う事業者等となっており、この議員の場合は対象にならないと推測されます。
ですから法律違反にはなりません。
ですが、このメールで案内された行事の実施が議員の後援者を増やすことであった
とすれば、逆効果になってしまったと言えます。
頼りない議員、事務所であるというイメージを作ってしまったかもしれません。
特別な事例ではありません
議員の方が行ったことでしたので、公になり
報道もされましたが、このような形態のメールは
時々見かけてきました。
送られた来たメールに面識のない方の名前と
メールアドレス、場合によっては勤務先や所属
団体名などまでわかってしまう形のメールを受け
取ったことは何度かあります。自分の情報も
見ず知らずの人に知られてしまっているわけです。
実害が出れば損害賠償請求も
一般の方は個人では、通常個人情報保護法の規制対象になりません。
しかし、行った行為で個人情報を漏えいしてしまい、情報の対象者に何らかの
実害・実損が出た場合、法律で罰せられなくても、民事での損害賠償請求の
対象となる可能性はあります。
しかし本当に怖いのは
そのようなメールを出すことによってプライベートや仕事において、頼りない人、
ちゃんと仕事が出来ない人などというマイナス・イメージを与えてしまうことです。
BCC機能を使う
メールの送信宛先を設定の際、「宛先」「CC」「BCC」と3つ欄がありますが、
「BCC」を使うと、その欄に指定した宛先の氏名・メールアドレスは受信者の
メール画面に出なくなります。
つまり、他の誰に送信されたのか受信者側にはわかりません。
議員もこの方法をとるべきだったのです。簡単な作業です。
お互いを知らない、またはその可能性が一部でもある多数の人を対象に
一斉メールを送る際は、この方法をとならなければなりません。