国民生活センターが2013年4月4日付で、衣類用のスプレー製品の一部に防水スプレーに
含まれるフッ素樹脂やシリコーン樹脂を使いながら、防水スプレーに表示されている
注意表示がなされておらず、消費者が知らずに使用して中毒・障害を発症する恐れがあり
既に事故が発生していることを発表しています。
防水スプレーの危険性について
1992~1994年に防水スプレーによる急性中毒事故が
多発したとのことです。防水スプレー主成分である
フッ素樹脂またはシリコーン樹脂等の撥水剤が原因の
呼吸器系中毒です。そこで1996年に国民生活センター
から注意喚起が行われ、1998年には旧厚生省から
対策手引きが策定されました。
そして現在、防水スプレーには左写真のように
注意喚起表示が目につきやすいように記載されています。
防水スプレーによる重大事故例
1994年自宅玄関で50代男性が、ゴルフウェアに防水スプレーを使用。戸を開けて換気を
確保していたが、戸から吹き込んできた風でスプレーの噴霧を吸引。体調を崩し病院に
行くと肺水腫の症状との診断。後日死亡。
衣類スプレーによる事故
2012年8月、UVカット効果をうたうスプレーを使用した方が中毒症状を発症、入院。
原因はこの衣類スプレーには、シリコーン樹脂が使われており、成分表示はされているものの
防水スプレーには記載される注意喚起表示が無かったため、室内で換気を確保せず使用し、
吸引してしまったためとのことです。
国民生活センターによる衣類スプレーのテスト結果
汗ジミ防止(UVカット、抗菌、消臭、香る)、静電気防止といった効果をうたう製品の一部商品に、
フッ素樹脂やシリコーン樹脂等の成分が使われ中毒リスクが高いことが判明したとのことです。
しかし、その商品の中にはフッ素樹脂やシリコーン樹脂等の成分表示が無いものがあったと
ことです。
また、吸引についての注意喚起表示がまったく無いもの、表示が目立つように記載されて
いないものがあったとのことです。
国民生活センターの動き
衣類スプレーのメーカー、そして監督者の行政に対して、改善策の実行を要望しています。
しかし、要望通り実施されたとしても時間がかかります。消費者の自己防衛が必要です。
消費者の自己防衛にすすめられる方法
① もう一度、防水スプレーの危険度と使用方法を再認識して使用する
・屋外で周囲に人がいない事、風向き確認して自分も
吸引しないように注意して使用する
・ペットに対しても危険。隣家などのペットにも影響がない
場所で使用する
・子供には使用させない、保護者が使用する。
② 汗ジミ防止(UVカット、抗菌、消臭、香る)、静電気防止といった効果をうたう衣類スプレー
・使用前にフッ素樹脂、シリコーン樹脂などの撥水剤成分が使われていないか確認する
・上記成分が含まれている場合、防水スプレーと同じ使い方をする
・成分が確認できない場合も、念のために防水スプレーと同じ使い方をする